流産が私に残したものは、痛みの記憶と死への恐怖でした。あんなことがあったのにそれでも子供が欲しいって事は私の死を望んでいるのかと泣きながらユウに言ったこともありました。38歳で流産してから44歳になる瞬間までの6年間、楽しい結婚生活の中で唯一妊活が精神的に本当に辛かったです。けど、結婚前に私が言った「不妊治療はしたくない」という言葉をユウが尊重してくれたから二人の関係を壊す事なく乗り越えられたのかなと思います。今、私は叔母として甥と、ユウは監督として選手の子供達と、誰かの「子育て」に関わりながら、自分のキャリア活動に没頭して幸せに暮らしています。でも、もし私が若い時に、家事や育児をしっかり分担して育児の為に一緒に仕事をセーブすると言ってくれるユウの様な男性に出会い、それを受け入れてサポートしてくれる様な社会だったら、私も自然と子供を望んでいたかもしれません(これを言うと、そうだったら結婚相手は俺じゃなかったからこれで良かったとユウは言ってくれますが(笑))。既婚未婚、子あり子なし、働いているいない関係なく、私たちは子供の未来に関わっています。そう思うから、子供達が大きくなる頃には少しだけ生きやすい世の中になっている事を祈って発信を続けています。